百怪百匣 ぬらりひよん

乙酉平成十七年

木版單色摺り

446×300粍

ヌラリヒヨン
 『鳥山石燕 画図百鬼夜行』に據れば、ひょうたんなまずのようなつかまえどころのない妖怪。備讃瀬戸に伝えられる海坊主の「ぬらりひょん」は、頭大の丸い玉を浮かべ、船から取ろうとすると、ぬらりぬらりと浮き沈みして人をからかうという。ぬらりひよんを「妖怪の総大将」とするのは、民俗学者藤沢衛彦による由來のない創作であるらしい。
 『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大事典』では、人間を大嫌いな妖怪。高級マンションに住み、町にダイナマイトを仕掛けたりした。といふ、激しい性格附けが爲されてゐる。

參考
『妖怪図巻』京極夏彦:文 多田克巳:編、解説
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』高田衛:監修 稲田篤信、田中直日:編
『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大事典』